コケ観察の愛用品2

コケ観察時に愛用しているアイテムその2です。

コケ採集時の必須モノといえば、ヘラがその一つですが、
ルーペや筆記用具、カメラ。。。とただでさえ、細々と使う頻度の高い小物が多い上に、
採集袋やら、図鑑やらと必要なモノは多くてまごまごするコケ観察。

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ということで、「ヘラ×えんぴつ」です!

これは、コケ友さんでもありコケについては大先輩のTさんの大発明。
Tさんは、ボールペンとドッキングさせていました。

一つでもアクションを減らそうと、ずっとメモ帳と筆記用具のドッキングを四苦八苦試していました。
また、キーホルダータイプのアウトドアペンを使ったことも。
ところが、
・メモ帳と一緒だと採集袋に書く際にメモもくっついてきて不都合。
・首から下げるとルーペと絡まり不都合
・アウトドアペンを下げていたところ、不意にペン先が出てしまい服を汚した
・単純にポケットにペンを入れてみると、やはり服を汚した
・ならば、とクリップのついた超薄型「ペグシル」(よくアンケート記入などでもらう使い捨ての)にしたら、
いざ使う際にシン部分がなくなっていた。
・ならば、えんぴつ!と順調に使っていたら、中盤でシンが丸くなった&折れてしまった

などのような過程で、どれもこれもしっくりきません。
しかし、Tさんのヘラペンをみて目からウロコ。
動作がじつにスムーズ!

しかし、上記のような失敗を避けるために、私はえんぴつを使用することに。

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リラのカーペンターペンシルが平べったく、ヘラの柄と干渉しないので具合が良いです。

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ダイソーのモンジャ焼き用のヘラ(柄が木のもの)が角度など使いやすくオススメです。
(これを愛用しているコケ屋さん多数)
なんと、リラペンと幅がピッタリ!

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しかもこれ、シンがやたら太いので絶対に折れません。
ちょっとだけ先を薄く仕上げると、角を使えば小さい字も書けます。

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(比較用にシャーペンを置いてみる)
採集袋やメモ帳、図鑑に書き込める程度の細さやサイズは不自由しません。

ちなみに、ヘラは木製の柄を分解し、ペンシルは長いので二つにノコギリでカットしました。
マステで止めてるだけなので、何かあればすぐに外せます。

これは、見た目のシンプルさ以上に使いやすくて大ヒットアイテムで、Tさんには大感謝なのです。
観察時は、基本片手にずっとこれを握りしめてウロウロ。
コケ見に夢中でついついやみくもに手を出してしまいますが、
これからの季節、虫やらマムシやら危険も潜む野外での採集行動。
このヘラで枯葉や枝をどかしながら探索、これぞというコケがあればそのままヘラですくいます。


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コケ観察の愛用品その1

観察会の下見に、と
久しぶりにがっつりフィールドにでました。
その成果はまたおいおいとして、観察時に愛用している図鑑装備、小道具小技を記録しておこうと思います。

野外に出るときは何かしら図鑑の類を携帯するのが必須ですが、
私は先生と一緒で、しっかり聞き込めそうな人数体制の時、ここぞという時、
コケフォレーなどの強化講習の時など、平凡社の図鑑をポータブル仕様に変えて持参してしまいます。





・説明のあった種が「掲載されていない」なんてことがない
・ゆえに、手元にコケはなくとも、話がでた種をその場ですぐに確認できる
・写真と実物で見比べ、再確認できる
・その場で書き込め、あちこちにメモがとっちらからず、図鑑一箇所に情報をまとめられる(私は平凡社にまとめるようにしているので)
・和名がでてこない場合にも学名ですぐに何のコケを説明しているのか確認できる

などなどのような感じで、ものぐさな私には後でメモを確認する手間も省けてなお便利に感じます。
ところが、この図鑑の重さは約1.7キロ。
片手で持つのはツライ。
カバンからいちいち出すのもツライ。
ページを立った姿勢でめくるのもツライ。

なので、思い切って図鑑を加工しています。
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図鑑をバッグのようにたすき掛けするのです。

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歩く時はポシェットのように。

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立ち止まって、解説が始まったらすかさず図鑑をひらきます。
片手で開けます。めくれます。
画板の使用感に近いかも?! 
お腹で引っ掛けながら開くと、片手でコケを持ちながらページをめくったり、メモをしたりできちゃうのです。

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通常はストラップを外せばいつもの図鑑に戻り本棚にもしまえます。
野外の際は、すかさずフックを引っ掛けポータブル仕様に変身!


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OP TECHというブランドのビジネスマン向けのショルダーストラップで、
カバンのストラップを純正からこちらに変えるだけで、30%の重さを減少させるというスグレモノ。
ネオプレーンの素材が肩にやさしくフィットして、歩く振動にもずれたりしません。

図鑑の表紙に穴を開け、その穴を保護するためにハトメパンチをして、リングパーツを取り付けます。
あとは、臨機応変にこのストラップを付けたり、外したり。

私はさらに、野外に持って行って汚れや傷みを防止するために、ブッッカバーのようなものをつくって(お粗末ですが)
被せた状態にしています。
そうすることで、一人でふらふら野外で使う際にも、一見図鑑とはわからないオタク臭緩和で都合が良いかなあ、と。
また、ブックカバーのおかげで表紙とカバーの間にポケット的空間も生まれ、メモやプリントの収納も実現しました。

ちなみに、これは野外だけでなく室内でも◎
顕微鏡講習などで、万一図鑑を広げるスペースが無い時などにもちょっと便利です。
ヒザの上に乗せながら、ぷるぷるしつつページをめくって、顕微鏡を覗いたりしていると、つい落下。
肩にかけておけば落とす心配もないし、使わない時に置く場所にも困らないのです。

コケ観察時の目的や、レベルは個々で異なり、差もあります。
なので、一概にはオススメしませんが、数年使ってみた結果私には合っていて、我ながら良い小技だ!と愛用しています。
表紙に穴はあきますが、後悔はしていません。
むしろ、開いてしまった分、使いたおすぞ!と変な意気込みが湧いたのでした(笑)
私のようにコケ学吸収に不器用で、ものぐさで、中途半端な中級者にはオススメかもしれません。

もちろんここまでしなくとも、野外携帯用に最適な図鑑で普通の人は事足りるかと思います。

オススメ2冊









Sphaerocarpos donnellii Austin

キビノダンゴゴケ(Sphaerocarpos donnellii Austin)
そのままでも、ルーペでも、顕微鏡でも、
実に美しい!

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一昨年くらいに岡山のコケ友さんからほんの少しおすそ分けいただいた本種。
小さな鉢に入れたものの、すぐに姿を消してしまいました。
しかし1年後になんと発芽。
この時の株は5月で消滅。発見が4月と随分気づかなかったので、あっという間の観察期間。
いつから出ていたのかわかりませんでした。

そしてこの11月。
新たに出現しているのを確認しました。
前回よりぐっと早くチェックできたので、今後の動向を見届けたいな。
これもまた5月くらいまではいてくれるのだろうか。。
ダンゴゴケといえば、この特徴的な包膜の印象が強烈ですが、
今回の我が家は葉状体が多め、そして綺麗でうっとり。
この度の発見も、鉢の上の葉状体で気づいたのです。

前回の記事はコチラ→

キビノダンゴゴケについては
コチラ→その1
    その2
    その3
                 

祝刊行!「奥入瀬自然誌博物館」

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昨日、身に覚えの無い届いた宅配を開封してみると入っていた一冊の本。

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「奥入瀬自然誌博物館」

〜 立ち止まるから、見えてくる 〜

大きな自然をかたちづくる、小さな自然。
足早に通り過ぎていくだけでは決して見えてこない、
立ち止まるからこそ、見えてくるもの。
歩く、見流すだけの観光地から「観る」を味わう観光地へ。
驚きと感動、そして不思議に満ちた世界へようこそ。
奥入瀬観光史上初の本格的エコツーリズム・ガイドブック
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まあ!おいけん(=NPO法人奥入瀬自然観光資源研究会)が何やら凄いものを出版したようだ!
早速パラパラしてみると、写真も沢山!で内容の豊富さがそれだけでわかるほど期待感が募り、思わず興奮しました。

私が奥入瀬に行ったのは、たった一回。
おいけんの方達にもお会いした回数も多くはないけれど、仲良くしてくれて色々良くしてくださるのです。
(何かふっていただいても、少しもプラスにしてお返しすることができないのに。)

奥入瀬は、ふらっと何も知らずに歩いたとしても「凄い良かった!」と言える場所ではあります。が、
おいけんの方達のように、あらゆる尺度、あらゆる角度で、景色を見尽くす術を伝えようと
必死で頑張っているのを少しでも体感すると、意識も視界もだいぶ変わります。
私のようにたった1回の奥入瀬経験でも、
特別なものに感じますし、より深く知ることができている感があるものです。

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カラー写真もたっぷり!
生き物のアレコレだけでなく、流れのしくみを読み解く術から、森の仕組みまで。

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コケは当然のことながら、隠花帝国ならではのキノコや粘菌、冬虫夏草。。
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地衣類も勿論!

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野鳥にカエルに魚についても。
奥入瀬に関わる大きいものから極小のものまで、全ての関わりを丁寧に紹介しているので見飽きません。
青森に行く予定は皆無だったとしても、
どこの地域でも役立つ目線を授けてくれるのは、著者の河井さんの相変わらず美しい写真と、
わかりやすい文章だからなんでしょう。
それにしても、ホント写真がいつも素敵。これもやっぱコンデジなんだろうか。。

▪︎

「奥入瀬は自然の博物館」
河井さんが何度も繰り返し言っている事ですが、
そこにある自然全てを「展示物」としてみた場合、
やっぱり足早に通り過ぎても、車窓から渓流を眺めたとして、なんら意味はなくなります。
何か見落としてないか、どんな小さなカケラでも気になるし、それを得て初めて見えてくるものもあるし。。
少し前に奥入瀬名物の「コケテーブルのコケが剥がされた」事件では、
一般的には「剥がして当然」的な意見が主流であることに驚きました。
「そもそもテーブルは使うものだから、使えるようにして何が悪い」的な。
「コケが生えるまで放置していた管理者オカシイ」的な。

多くのコケ友が憤慨し、私も同じような気持ちに当然なりました。
「自然の博物館」を意識すると、コケテーブルも展示物の一つであって、
本来のテーブルの役目を果たしていようが、腐っていようが、
危害を加える状態でなければ、そのままなのが正解なはず。
気に入らないからと、個人の見解で勝手に手を加える行為は、普通の博物館内での出来事で考えると異常です。
だから、この時論争されていた「コケなのに」「コケだから」という観点での争いは、
少々論点がズレているな〜とも同時に思ったものです。
価値観は人それぞれですから。
コケに異常に愛情を持つ私達もいれば、コケなんて目障りなだけ、という人もいますし。
世界遺産であってもお構いなしにラクガキするのも人間、守るのも人間。。。
どの世界にも、いつの時代にも、自分と反する行動をするのが人間。。。
ある意味乱暴に言ってしまうと、この愚かで悲しい結果の景観すらも、
「自然な流れでできた自然の展示物」として客観的に冷静に見ている自分もいました。
人間の手が加わった作品が、よりにもよって愚かさをわざわざ伝えるものになるのが悲しいのですけれども。

とにかく、ごく一般的な人の見ている世界と、
奥入瀬側から見る自分の世界とのギャップに非常に驚いたものです。

自然の楽しみ方は、もちろん人ぞれぞれですが、
見落としているものがあまりに多い事を知る人を少しでも増やそうとしている、
「鑑賞」目線の奥入瀬の提案は、単に「保護地区」というだけで済ませない自然への真摯さを
凄い感じて素晴らしいなあ〜といつも思って密かに応援しているのです。

コケをはじめ、様々な生き物の価値観を押し付けても無駄だな〜と近年痛感していますが、
同じような目線で見れる人がどんどん増えたらいいな〜と、本を読んで心から改めて思うのでした。
あ〜奥入瀬行きたいっ!!

本書をぜひ読んでみたい方は、4月下旬ごろからおいけんで通販が可能になるようですよ。
★ 一般販売は600部限定だそうです!どうぞお早めにお求めください!
詳細は上の矢印リンク先をご覧くださいませ。


【問い合わせ先】
NPO法人奥入瀬自然観光資源研究会
(電 話)0176-23-5866
(メール)info@oiken.org
※事務所を不在にすることが多いため、お問い合わせはなるべくメールにてお願い致します

観察会ふり返り

先日開催した、オカモス関東(岡山コケの会関東支部)での顕微鏡観察会ふり返り。

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2月という寒い時期ではありますが、当日は寒さも和らぎ、前日の雨のおかげで程よい湿り感。
午前中は、学校の周辺をプラプラして、採集しながらフィールド観察。

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《何も変化が無いような土を採集する先生。極小ハマキゴケがいた。恐るべしコケ目線》

午後は各自、自由きままに顕微鏡観察しながらも、逐一細かいレクチャーを入れていただくため、
他の人も混ざって講義に聞き入ったり。。

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《顕微鏡とモニターを連動させて、一斉に見ながら解説を聞けます。前のめりでモニター前を陣取る人、作業をしながら聞く人。様々。》

合間合間では、持参した不明なコケも同定してもらうなど、結構盛りだくさんで楽しめたと思います。
しかも、多くの方が顕微鏡をお土産に帰路につかれたので!
まあ、なんとも豪華な会であった!と、主催者としてはやってよかったな〜と満足気です。(全部先生のおかげ、おんぶにだっこ状態ですが。。)

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《ギンゴケを採集した方から少し頂いて、すっかりコツを掴んだクマムシ捕獲をしてみました》

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《尖ったろ紙は、カバーグラスからはみ出た水を綺麗に取れるそう。なるほど!》

ところで、
今回の会の中で私的ヒットは、先生自身の話いろいろ。
コケ講義自体にももちろん色々ヒットはあるのですが、今回は隙あらば聞きたいことリストを用意して、
先生へインタビュー的質問をちょこちょこしてみていたので、それが良かったのです。

例えば、
Q:一番好きなコケは?
A:う〜ん。。一番好き〜?う〜ん。。

Q:では、一番得意は?
A:センボンゴケ科! (先生が、何専門かそういえば知らなかった!何と恐れ多いこの質問。でも確認してみた)

Q:コケを始めるきっかけは?
A:高校3年のとき、それまでやっていたシダの勉強のため、
本屋に注文していた保育社のシダ図鑑を取りに行ったら、なぜかコケ図鑑だった。
そのまま読んでみたら、シダより標本作りが簡単そうで興味が湧いた。そしてコケ屋の道へ。。。
(何と本屋のオヤジの間違いがきっかけという仰天話!もしおっちゃんが間違えなかったら、日本の蘚苔類学も少し事情が違っていたのかもしれませんね〜)

Q:学生の時の卒論的なものは、コケのどういった勉強をされていたのか
A:ゼニゴケの無性芽の成長について
(内容の詳細は省きますが、セン類一筋かと思いきや、学生時代は何と苔類もやられていたとは!)

Q:フィールドで危険な目にあったことは?
A:沖縄で超巨大なハブと遭遇したとき
(ここから派生して、他の先生の危機話なども色々聞けたのでした)

Q:コケ目当てでどこの外国に行きましたか?
A : ブラジル
(ここから派生して、海外からの標本持ち込みの仕方についても色々伺う。が、あまりの大変さに庶民にはなかなか敷居が高すぎることを実感。やはり海外では気軽に採集はできぬ模様)

と、まあこんな感じで雑談的に色々聞いてみた話が、個人的に興味深く面白かったのでした。
用意した質問は全部は聞ききれなかったのですが、
図鑑以外の本を書かれていなかったり、講演などもあまり聴く機会のない先生達自身の話って、
そういえば、お会いしてもじっくり聞くことってしてなかったな〜!と最近になってようやく気付くアホな次第。。
ついコケそのものへの質問ばかりになってしまいがちですが、
こういったコケ屋の生態って、オモシロイ!
以前、苔類界のドン・F先生もコケにハマるきっかけは「セン類だった」という話も意外だったしなあ〜。
また以前、コケ友さんと先生に教えていただいた、巨匠のエッセイ的文章。
遠い遠い遥か彼方な存在の大先生ですが、その隠れたマニアックな趣味や、学生とのエピソードなど興味深い生態がいろいろ書かれていて、楽しく拝見したものです。
面識の無い先生でさえ、興味深いのだから、いつもお世話になっている先生たちならなおのこと。

コケ屋図鑑とか欲しいから誰かまとめてくれないだろうか。

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プロフィール

よ2

Author:よ2
地味で共感を得難い、コケの魅力に取り憑かれ、観察や写真を撮りにでかけ、コケグッズを集めたり、つくったりの日々。コケ一色の毎日を綴るコケブログです。http://kokeiro.com