地衣つれづれ その3

地衣つれづれの続き その3 最終回です。
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前回、樹木保全のために除去されてしまう「ウメノキゴケ」について触れた訳ですが、
あれって、でも残骸をどうするんでしょうねえ。
高圧ジェットかなんかでこそぎ落とすようなんで、粉々に飛び散る感じでしょうか。


ところで、最近のちょっとしたマイブームは「コケ染め」です。
ここでいう、コケとは蘚苔類のことではなくて地衣類の方をいいます。

そのため、染液を作るには地衣類がおのずと必要になってくるわけですが、もちろん都内で心置きなく採取できる場所なんてありませんし。
地方であっても、所構わずごっそりなんてできません。

なにせ地衣類の成長のスピードといったら
『成長速度が比較的速い種類でも100年で1ミリほどしか成長しない。一株10ミリの地衣の寿命は約1万年だと言われている』
だとか。

これ本当?! 

まあ、個体差はあるでしょうが、とにかく遅いってことは確実なわけです。
桜の保全も大事ではありますが、地衣類集めに苦戦している私としては、もし捨てるならくださいなと言いたい。

ちなみに、私の採取はといいますと、
地方のど田舎にいくと、地面に木の実やら枯れ葉やら樹皮やらいっぱい落ちてます。
その中に、地衣がついた枝やら皮やらがわりと落ちているので、そういうのをかき集めたりですとか、
姉ん家の木についたやつを剥がすといったような具合です。

一応、適正材料数は、「ウメノキゴケ50g」とかなってたりしてますけど、
地衣類って、ペラペラ薄くて軽いんですよ。
あれを50g分もって、どんだけなのさ!乱獲並みでないんかい! っていうことで、手持ちの少ない量で試しましたが、子どもの手のひらにも軽くのる程度の量で、3~500ml分くらいの発酵液はつくれそうです。

RIMG0032.jpg
ジャムの空き瓶に少し入れたもの。これで数週間経過状態だったか?
この後、赤ワインのように変化していきます。

いわゆる、ウメノキゴケとかみたいな灰白色の葉状態タイプが適しているそう。
そもそも、これ単体だけでも「そのまま髪にでも飾りたいくらい、素敵素敵」と心惹かれる私ですが、大抵はこれを「かわいい」だ「綺麗だ」などと思うことは少ないのではないかと思われます。
むしろ人によっては「ナニコレ、キモッ!」となることもあるかもしれません。

P5109948.jpg


でも、その「ナニコレ、キモッ!」から、
それはそれは綺麗なピンク色の染料が出てくるとは想像もつきませんよね。

umenoki.jpg


このコケ染めは、単純には二通りありまして、
普通に煮込むバージョンと、一度発酵させてから煮込むバージョンがあります。
この両者では、出てくる色合いが違うのですが、さらには煮込む時間によっても変化するようです。
また、発酵も度合いによって結構変わるみたいです。
あとは、素材の種類によっても。
手持ちのものでは茶色とピンクタイプですが、なかなか高貴な紫色に染められるタイプもあるみたい。

本当は、絹が発色良く染まりやすいようですが、絹素材のものは今どきあまり無いですからねえ。
とりあえず、私が染めているのは、これまたマイブームまっただ中の「レースいろいろ」
デッドストックのレースが大量にあるので、それをちまちま煮込んでます。

先ほども言ったように、向いてるのは「絹」。
そして、地衣染めはちょっと耐性も弱いっぽいので、絹以外の素材では中々入りづらいし、乾くとより薄くなってガツンと発色が良い状態にはできないのですが、それでもやさしい味のある風合いにはできるのです。

しかも、発酵液は鼻をつくほど超くさいのですが、これを煮込んで行くと、まあ何とも言えない芳しい香りに変化するのも見所です。

発酵液を作るのに1ヶ月から2,3ヶ月かかりますので、こちらのタイプの色だと紅茶や珈琲、ワインで染めた方が早いんじゃないか?という突っ込みはさておき。

上の写真は、3ヶ月?くらいもので染めたのですが、微量しかないので、ケチケチ薄めて使ったこともあり、かなり淡い。乾いた今はさらにもっと薄っすらと。 
でも、桜の季節に良く合う春色なのです。

以上、語れる身分じゃあございませんが、今回は集中的に地衣類に注目してみました。

P4062607.jpg


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  • 2012/04/10 19:15

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Comment

tamu

よ2さん、すごい!地衣で染物までやってるなんて。
しかもきれいなピンク色に染まってて、びっくりです。
発酵にも時間がかかるんですね。
煮込んだ時の芳しい香り・・・嗅いでみたい。
  • URL
  • 2012/04/10 22:41
  • Edit

よ2

これがね、結構不思議で癖になる香りなんですよ。
色も意外なのだしてきますよね、奴ら。古来の染め方らしいですが、昔の人は相変わらず凄いです。
  • URL
  • 2012/04/11 13:39

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プロフィール

よ2

Author:よ2
地味で共感を得難い、コケの魅力に取り憑かれ、観察や写真を撮りにでかけ、コケグッズを集めたり、つくったりの日々。コケ一色の毎日を綴るコケブログです。http://kokeiro.com