コケ展のはなし 最終回
- 2012/10/21 18:13
- Category: コケ展

しつこいコケ展のはなし、さらに続けます。
さらに続けますが、最後にしますので超長くなります。できるだけ詳しく記録しておこうと思いますので。
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上からぶら下げたゼニゴケは、本物の傘を利用しています。
色々方法はあると思いますが、限りなくコストを押さえるため、手芸感、傘感をいかにも残したものに。
一個あたりの材料費は数百円ですが、意外に作るのに手間がとてもかかってます。
そして、デフォルメといいつつも、あらゆる図鑑、本物を色々な角度から観察しまくりました。
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思ったよりは意外に好評だった動画『THE コケセンサー』オール吉祥寺ロケです。
この動画も見る見ないは別として、空間作りの要素として必須にしたもの。
アニメの方は、本当はパラパラ漫画という、あえてアナログな見せ方をしたかったのですが、ページ数が大量すぎてパラパラできず。
一個は胞子体を飛ばす過程の生態を表すもの、もう一個は妄想のもの、
と、テーマを2種類にしようと決めたのですが、描くのはさすがに担当制に。
胞子体は藤井さん「コケは旅人」。妄想は私となりまして「コケに願いを..」。
いざ、妄想するのもやっかいですが、それを書き出さなければ行けないのでさらにやっかい。
何となく妄想できても、今度はそれをちょっとずつずらして書いていく地味な作業が続きまして、これは学校にいきながらも細々と宿題や課題の合間に何とか80枚ほど描いたと思います。
描けても気に入らず、全部色塗りしたのですが、最終的に自らセピア一色に加工してしまったという。。。。。
ウキゴケ(鹿角コケ)が生育する綺麗な水辺に水を飲みにきた鹿にコケがくっついて角になって、角が伸びて森になって。。。という系の話しのもので。。最終的に貞子みたいなコケガールが、真っ暗闇の空にミカヅキゼニゴケを放るわけですよ。で、無性芽がこぼれて星になって、それが流れ星になり、願いをかける。というような話しです。なので、コケの種類がある程度わからないと意味がわからない話しになってしまいました(苦笑)
気が向いたらYouTubeにでもアップするかもしれません。
藤井コーナーの詳細

番号順に
1:コケ額縁色々...... 本物のコケをじっくり眺める事ができつつも、デコラティブなフレームに入れることで、さりげなくインテリアとしても部屋に馴染みます。ちょっとしたコーナーテーブルや壁に複数飾っても美しいですね。

2:標本袋.......標本採取の際に本当はやらなければいけない正式なフォーマットでの採取袋。いらっしゃった方をはじめ、素人やアマで、実際にこの袋を使うまでの方は少ないと思いますし、そもそも知らない方も多いと思うので、勉強になったのではないでしょうか。
3: 富士山コケ合宿で使った教材....H先生主催のコケ観察会に藤井さんが参加された際、これを使いながら学んだという貴重な教材&標本。「コケ観察ってどうやるのか、想像もできない」という方に、説明しながら見せると「なんだか、とっても楽しそう〜。やってみたくなる!」という感想を多く頂きました。
4: 観察スケッチ.....コスギゴケの時系列的、観察記録をスケッチで分かりやすく記したもの。知られざるコケの生態にも気軽に触れられたのではないでしょうか。実は他のページで、今回の個展タイトルやイメージのボツ案も一部見れてしまったという、隠れた見所もありました。
今回の「ひみつの部屋で〜」タイトル案は、何気に30個以上もの案から選出、ブラッシュアップしたもので、イメージ図も何通りも作って決めてあるのです。
5:藤井特選写真集......過去に撮りためたコケ写真が大量に。名前や場所は記載されているものも多く、非常に参考になった方も多いのではないでしょうか。
6:ドライコケ(蘚苔類ver.、地衣ver.)......ガラスポットに入れたドライモス達ですが、このようなちょっとした工夫で、いかようにも気軽に可愛らしく飾れるようになるものです。ポプリのようなので、香り付けしても良さそうです。


そして、カレンダー「苔暦」一年が終了した暁には、12ヶ月分のコケをおさらいできます。

そしてTシャツ2種類。ロンTまで用意されているので、これで真冬の観察でも安心ですね。
もしかしたら来年の学会では皆とお揃いなのではという、怖いような楽しみなような。。。
これらは、このあとも販売するようですよ。

私のコーナーは、展示物が多すぎなのですが、
什器も兼ねた古びたコケミニハウスの中に、コケ切手やコイン、豆苔盆、ピアス、豆本などを飾ってみました。
一応、右の壁紙がスギゴケ、正面がオリジナルコケ柄、左がハタケゴケの壁紙です。


チェアの座面ももちろんコケ、ミニ花瓶には胞子体をいけてます。
手前の豆本は中身が全部テーマに沿ったコケ写真で、手製でろう引きしたコケ表紙を作って、自分で製本までしたててます。
他には、コケ入り水晶とか、コケボタン、コケフレーム、コケリース、クスサンとコケビースのランプ、一輪挿し、友人25人をコケに例えた図鑑、自分で漉いたコケ和紙に、ホウオウゴケで鳳凰を描いた絵、万華鏡、本物のコケを使った鳥の巣に卵の殻を再利用したコケ盆、コケリカ、入選したマイメロとかいろいろ、こまごま盛りだくさん持って行きました。

H先生の作った非売品「コケモンカード」は、自慢できる一品なので、『こういうのもあるんだよ!そしていいでしょう〜うらやましいだろう〜』という、自慢をするつもりで展示していたのですが、最終的に「今回の全展示物で一番のヒットはこれ!」と言われてしまう始末(笑)皆大注目の一品でした。
ちなみに、カードを入れてる箱の取手ももちろんコケ入り自作です。

一つ一つの作品は、色々語りだすとテーマや理由がそれなりにあって、キリないのですが、この他でマニアックなポイントとしては、POPの模様。

壁紙と同じで、タマゴケ、イチョウウキゴケ、スギゴケなど数種類のコケで構成してあります。
これとあと図鑑に必ず掲載されている葉の形状一覧をモチーフにしたバージョンのPOPもありました、気づいた人いるだろうか。。


あと、意味不明に突如置いておいたチェルシーヨーグルト味。
前日準備がつらくなって、さらに面倒な事をやりだすという個展からの現実逃避物です。飴食べながら準備してたんですが、緑色のパッケージ模様を見ていたら、コケで埋め尽くしたい衝動にかられまして。
また、この他にもこっそりのものがありまして、たとえば
余力があれば皆様にお出ししていたコケ茶は「苔庭の風」というお茶です。
(妄想です)


一部の人が気づいて試聴していった「苔の花」。混声合唱曲「蔵王」にでてくるやつですね。
これ聴いて準備してましたもので。。


とっても小さい子どもに不人気の今回の展示。狭くて、人がいっぱいいたので仕方ないのですが、ぐずったときにごまかせないかと、おもちゃや人形もコケっぽいのを一応セレクトしてみました。出番はほぼ皆無でしたが。
また、よりマニアックな部分では、揃えた本の中にはコケを詠った和歌や俳句の栞をはさんでおきました。
地衣で非常にうっすら染めて、古く見せた紙に俳句を印刷してコケと一緒にラミったものですが、この話しは誰にもする機会がなかったですねえ、そういえば。
あと、私と藤井さんの毎日のコケファッションを本当は日々ツイートでもしようかと思ったのに、結局一回も何もできずで残念です。特性コケ缶バッジをピアスに仕立てた藤井さんの両耳は必見でしたのに。
しかも何かと毎日緑色の服を着てくるという。主催者自体も展示物の一つですから。
私も緑は着ない日でも常に、髪や耳にコケが付いてましたから。二日間だけ、コケボタンに付け替え、バックにマンジュウゴケ水玉刺繡、胸元ポケットにキヨスミイトゴケ刺繡を施した白シャツも着ましたし。


あと、BGMには森の音。
そんなCDはないので、これもせせらぎの音とか鳥の声とか、切ったりはったりして重ねて作ったCD流してます。
それなりにマイナスイオンでている感が味わって頂けたかな〜
こんな感じの隠れた部分を除いても、メイン部分で何時間も遊んで行ってくださる方が多く、コケにまったく興味がない友人達でも3時間近くも滞在した人もいるし、「アンタがコケコケ言う意味がわかった」というような、感想を多くいただきまして、これってまさに今回の目的を達成していまして、凄いですよね。
コケ好きにも喜んでもらうのは嬉しい事この上ないのですが、そもそも興味ない人にこの魅力を伝えるのは。。。という今回の展示目的。
2月から本格始動し、企画書もつくり、ターゲット、目的、テーマを決め、予算を決めて、そこに収まる範囲で全てを行う事を条件として、常にコスト表とにらめっこしながら、会場探し、業者探し、材料さがし。
完全フリーのくせに何かと私も忙しく、仕事をしながらの藤井さんももちろん忙しく、メールや打ち合わせ以外にもwikiを立ち上げたり、チャットをしたりと、結構いろいろな手段も使って綿密にやってます、実は。
タイトルも色々難航した末の「ひみつの部屋でコケトリップ展」でしたが、あの会場を体感した方々から、「まさに」との感想も多く頂戴し、結果オーライだったと安堵しています。
「次回も」とか「次は」とか「二回目も待ってます」とかの声もありがたい事に多くありましたが、
「次回はありません〜」
ということで、非常に長々と、しかもこのシリーズも長くなりましたが、ひとまずこれでリセットします。
あらためて、藤井さん本当にお疲れさまでした&ありがとうございます。
来た方で、これ見てる人、もしいましたら、ありがとうございました!!
おまけ
打ち合わせ初期段階で作ったラフ模型数種類。
わりと近い形で実現できてるかな?!



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tamu
気がつかなかったところもあるので、紹介していただけてうれしいです。
動画、ゆっくり見れなかったので、ぜひアップして下さい!