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コケでないコケで楽しむ

ご無沙汰な投稿なのです。
さして見にくる方がいるページではなし、何となく更新しませんでした。
忙しいながらも、それなりに日々コケネタはあったはずなのですが、すっかり忘れてしまいました。
やはり脳内の整理と記録にもアウトプットは必要だろうと再開してみます。



とはいえ、久々の投稿は
探し物のの過程でたまたま気づいた地衣類話です。

生き物屋さんと接していると、地衣類ごときの話では珍しくもなんともなく、
ごく自然に発せられる名前の数々ではありますが、
よくよくよーく冷静になると、地衣類について話せるのはあまり普通ではないのですよね。
でも、コケよりもずっとずっと世間に、静かにとても静かにひっそりと身近に息づいていたのですよ。
地衣類が!
まさに普段の生態のごとく、姿が変わっても誰に気づかれることもなく、
素知らぬ顔をして、いつの間にか近くにいたよ!!みたいな。

当たり前のように手にしたものが、実は地衣類の恩恵を受けたもので出来ていた。
という意外な事実は、リトマス紙や植物染めを知った時のような新鮮な驚きでした。

誰もが頻繁にいくであろう100均、スーパーやドラッグストア。

私は行き慣れたこの場所で思わぬ地衣類との遭遇を果たしました。
はて、みんな普通に知ってたのかな。
思わず鼻息荒くなったのって私だけか?!
これ常識なのかしら。
今更気づいたの?レベルなのかしら。

それは、こちら。
ジャン!
のど飴たちです。

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アイスランドモス:
学名:Cetraria islandica/英名:Iceland moss/和名:イスランドゴケ
ウメノキゴケ科
エイランタイとも呼ばれている。
北欧人にとって大切な食料であり、自然薬であったようです。
植物療法ではトニック効果のあるハーブとして位置付けられている。
食欲不振、口腔粘膜の炎症、空咳、喘息、糖尿病、病後の体力回復、強力な抗菌作用など、

このような効果から、北欧の薬局ではトローチが販売されているそうです。
またハーブティーのティーバッグ?も販売されているそうで、ずっと気になっていました。
しかしながら、北欧へいく予定などとうてい出てきません。
ノルウェーにいる母の友人に頼んでもらったのですが、話が通じないのかノルウェーには無いのか撃沈。
この2,3年は、ふとした時に思い出しては、通販などで出回って無いかとちょくちょく探していたものです。

ところが、灯台下暗し。
普通に、のど飴に入っとる!しれっと入っとる!

いろいろ調べてみたところ、結構あちこちで販売されているものに入っているのです。
例えば、

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1
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飴ばかりあっても食べきれませんので、これ以上買いませんでしたが、他にもまだありました。

「地衣類ちいるい」とは、菌類と藻類の共生生物で、お互いに助け合い支えあうことで自活できるという特殊な生き物のことですが、どちらかというと菌類になるので、植物のくくりではありません。
しかし、和名にはたいてい「◯◯ゴケ」と「コケ」の名がつくので、蘚苔類の仲間だと誤認されがちです。
というか、そもそも地衣類の存在自体を認識されている方が、一般的にどれほどいるのか。。というレベル。
でも、コケよりもずっと身近に潜んでいたんですねえ。

ところで、
プリザーブド加工されたアイスランドモスは、ハナゴケ科の地衣類だと思っていました。
というか、たぶんそうだと思うのです。
しかし、上記にあるように効能として期待されるハーブとして扱うような位置付けの場合でいうところのアイスランドモは、学名がCetraria islandica
「エイランタイ」と「ハナゴケ」は違うのですよ、科も違うし。
コケのくくりだけでなく、地衣類の中でも名前が混濁しているのでしょうか。。
しまいには、「フィンランドモス」という商品名の場合もあるし、結構こんがらがりますね。
様々な商品や作品に使われているし、用意に入手できるので見たことある方も多い一つかと思います。
ほぼ確実に「苔」として商品説明されているので、あれを地衣類も含んだ「広義の意味のコケ」であって、
「狭義のコケ(つまり蘚苔類)ではない」ということまで認識して使っている人は、かなり少数派です。
ましてや、ハナゴケとエイランタイとの分別みたいな次元になるともう生き物屋さん以外、絶対に通じなさそう。

地衣類は好きですが、詳しくはないので、このあたり、
地衣類屋さんと接する機会があった際には、ぜひ聞いてみたい一つです。

ちなみに、地衣類は存在の認識は蘚苔類以下ですが、
具体的に人と直接関わる云々については、蘚苔類よりも人の役に立っている気がします。
ハーブとしての薬効や染色についてもそうですが、
アロマ界でも「オークモス(ツノマタゴケ)」などがメジャーです。

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オークモスは熟成中や抽出中に成分変化が起こって香気が生成されるそうです。
香水など調合する際に重要な原料となるとか。
免疫回復作用や、線虫駆除作用、プレッシャー排除作用などなど。

ポプリなど香りで堪能するのが主なオークモスですが、
珍しく飲用ができるということで、ドライを入手したので早速ハーブティーにしてみました。

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香り同様、本来単体で使うものではないのでしょう。
個人的には結構苦手な風味で、美味しいとは感じません。
変な甘みがあります。

でも、ジャゴケ食と同じく、興味あるもの隅々五感をフルに使って楽しみたい!
地衣類もそういった感じで食せただけですっかりご満悦なのです。




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ハート

ハート1


ハート3

ハート2


ハート4

エゾスナゴケの雫にハート❤︎を投影してみました。
あまりに小さいのでわかりますでしょうか??

生き物屋さんの中で話題沸騰していた「CanCam」の付録、ハート型の自撮り用ライト、
ちゃっかり私も買ってしまいました。
それにしても、虫屋さんたちの発想力、柔軟力には舌を巻きます。
改造すると、ファーブルミニにもピッタリだそうで、そのためにも買ってみたりしたのですが、
私にはちょっと破壊だけで終わってしまいそうな予感です。
その代わり、ハートをコケで活かせぬものかと、つりそうにプルプルする手を必死に固定し、
試行錯誤で撮ってみました(笑)

なかなか、自分の時間を捻出できず、ゆえにコケ学を深める事なぞさっぱりな今年。
こればっかりは仕方がないので、焦らずのんびり。。と構えつつも、
こんな写真を撮る時間で、一つ解剖でもできたかな。。。なんて後悔してみたりも。。(苦笑)


ハート
本当は、こうやって使うものなんですよね。
コケ目的で買ったものだから、我が子を目の前にしても人間で撮る発想にはならず。
随分たってから、ふと思いたち、本来の使い方をしてみたのでした。



コケ楽曲採集

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今更ながら、改めて「コケが好きだ!」

というコトで日々生きているわけですが。。
この「コケ好き」の中には様々な要素が含まれています。

鉄道オタクの中にも「撮り鉄」とか「乗り鉄」とジャンル分けがあるように、
コケにも色々とあるようです。
そもそも、コケ界ではまず蘚類派か苔類派かに分かれますし。

しかしながら、私の場合、
蘚苔類で好みが分かれることも一切ないまま、アレもコレもと広がる一方。
しまいには、蘚苔類そのものに興味は収まることなく、
コケ屋さんそのもの、だったり、コケにまつわる雑学、コケモチーフの色々、
コケと名のつくありとあらゆる存在が気になるという、節操ないこと極まりない。
内容やレベルはさておき、こんなに多種多様にコケ作品を作る人も他にいないのでは?と我ながら思ってしまうのも、
そんなところがきっかけだったりするのでしょう。

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そんなわけで、日頃から学術的な蘚苔類のアレコレ以外にも、
無差別にあらゆる方面で『コケ採集』するのがすっかり趣味のようになっているわけです。
コケイロの方でも、学術的コケ本以外に、コケモチーフの様々な本や、映画、グッズなどを紹介しております。

で、最近、
ちょっと変わった視点で新しい音楽取り入れたいなあ〜という環境や心境の変化がありまして、
8月は気が向けば、せっせと音楽の「コケ採集」をしてみました。
本当は野外に出て、せっせと経験を積みたい季節なのですが、今年の夏は野外活動はお休み。
しかも酷暑。
そんな時は、異次元の世界で採集活動に励みます。

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(外に出るのが危険な日、涼しい部屋で苔水羊羹と図鑑をお供にBGMはコケmusic。五感をフルにつかってコケまみれ)

日頃、普通の生活をしていては出会わないようなアーティストや、楽曲。
自分の好みも、知識も一切まっさらにした中、
ただ一点「コケ」という共通点のみを頼りに手繰り寄せて集った曲達。
ジャンルがとっ散らかっている割には、「コケ」というカテゴリに一纏めにして
iPodにいれてしまうと不思議とコンピレーションアルバムのように聴けてしまって面白いものです。

ご興味ある方、詳細はコチラ→コケイロ
ちなみに今回のラインナップは全て、ちゃんとiPodに入れて日々聴き込んだものを紹介していますヨ。
採集活動の際に、他にもmossやらクマムシやら気になるタイトルのものもあったのですが、
入手に戸惑ったものや、微妙に惹かれなかったものはピックしませんでした。

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コケウェディング

多くのコケ好きを虜にするその要因としては、
かっこいいコケスピリッツもその一つかと思われます。

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どんな環境でも「仕方なく」ではなく「適材適所」を見極め、
自分の居場所を確立しながらも、
様々な植物や生物を人知れずバックアップする縁の下の力持ち、
ザ・コケ植物。
全てを優しく受け止め、守ってくれる、
クッションやスポンジ的な包容力。
嵐や風にもいちいちざわめく事が無い静かな心。
盆栽からも威力がわかる引き立て力。
タフでユニークでマイペース。
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これって、夫婦間及び家族にも当てはまる哲学ではなかろうか。
コケから学べる事は、長い夫婦生活を送る上でも、見習うべき事が数多くあるように思えます。

家庭内では色々な事や変化が起こるでしょうが、
コケ生すほどに家族に歴史が重なる頃、さらにお互いの存在を尊重し、守り合い、引き立て合う、
愉快で楽しいコケ夫婦になりましょう!

てな感じの、説教くさいような、要はただのコケ普及でしょ?
的なメッセージをこっそりひっそり込めて、コケを用いたウェディング用のグリーンアレンジを作りました。
友人の結婚式で、受付付近に設置するテーブルを植物で飾って欲しいと依頼されて。


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造園学校時代のクラスメイトなので、
ウェルカムボードではなく、アレンジデコレーション。。。
前日搬入や作業はNGで、
当日、早めの搬入もNGで、
現地での作業もほぼNGで。。。
ゆえに生花は使えないし、
限られた予算だし。

という、様々な制限が立ちはだかる中で何とか形に仕上げました。
手前のアレンジは私が家で作っておくことに。

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新郎新婦の一切希望のない、完全お任せの中、
コケもの以外にも色々な植物を使っています。
家にあったユーカリの葉を針にさして糸で繋いでみたり、
大量にあったモミジバフウや色々な松ぼっくりの一部は、漂白して白くしたものを使用、
などの小技も効かせてあります。
当初は、蘚苔類は使わない予定だったのですが、
上記の理由から、やっぱり投入しました。

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当日は、各自家で育てている緑も持ち寄って、仕上げをすることで、
『当日はほぼ設置のみでも見栄え良く、なんとか全員が関われるうえ、低予算』
という、植物クラスらしい作品にできました。

★★

ウェディング×コケ といえば、前々から試したい願望はあって、
ヘッドドレスとブーケと会場装飾とリングピローは、和洋装イメージだけはあるのです(笑)
ケーキや、コースメニュー、ゲストテーブルのセッティングも全部やってみたい〜!
まあ、万一頼まれるようなことが仮にあっても、様々な要因で、実現は難しいですけど。。

なにより、自分が一番苔ウェディングか、苔無垢、をやってみたい。。

やはり、ここぞとばかりハレの日は、お花をフンダンに使いたいのが普通でしょうが、
ただ、ちょっとだけコケを式に取り入れたいな、という人は軽井沢で可能なのをご存知ですか?
その名も「風通る白樺と苔の森教会」
白樺に囲まれ、苔絨毯の上を歩くバージンロードが衝撃です。

デザインは、日本を代表する建築家、隈研吾氏とジャン=ミシェル オトニエルの共作。
この隈研吾さんの苔作品はほかにも、苔絨毯というのがありますよね。

FBでこの絨毯の事を知って、買おうと思ったらお呼びでない価格で撃沈した憎らしい絨毯です!

この会場で、妄想通りのウェディングをしてみたら。。。とさらに妄想を重ねて見るのでした。






熨斗!

コケ友さんにお貸し出ししていたちょっとしたもの。
無期限貸し出しにも関わらず、迅速かつ御丁寧にお返しくださいました。
しかも、お菓子まで一緒に。
日々、お菓子ばかり食べているので、甘いものを見ただけで顔が緩む。

さらに輪をかけて行天させたこのお菓子。

なんと、

P3120002.jpg

苔熨斗が!
ハイゴケがそろっと顔を出されているこの愛らしさったら、
顔が緩むどころか、そのまま箱を持って小躍りしました。

ステキ!素敵すぎる!この発想。さすがだ〜
ぜひとも、私も真似させて頂きたい!
でも、贈るより贈られたのがやっぱり嬉しいなあ〜









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プロフィール

よ2

Author:よ2
地味で共感を得難い、コケの魅力に取り憑かれ、観察や写真を撮りにでかけ、コケグッズを集めたり、つくったりの日々。コケ一色の毎日を綴るコケブログです。http://kokeiro.com